超音波歯ブラシの効果と比較

超音波歯ブラシの効果

 

 

超音波歯ブラシは、電動歯ブラシのブラシ部分が高速で動く点は音波歯ブラシと同様ですが、より超音波が発生する歯ブラシになっています。

 

 

超音波歯ブラシの振動は毎秒約160万回で、こうした振動が発生する超音波の力は細菌の破壊に大きな効果があります。

 

 

プラーク(歯垢)をよく落とせることも音波歯ブラシと同様ですが、大きく違うのは、超音波歯ブラシは細菌の産生するバイオフィルムを破壊できる点です。バイオフィルムは音波歯ブラシでは破壊することができません。

 

 

バイオフィルムとは、ストレプトコッカス・ミュータンスが分泌する酵素(グルコシルトランスフェラーゼ)によってショ糖が分解され、そこから作られる不溶性グルカンのことです。

 

 

この不溶性グルカンが作られてしまうと、その部分に他の細菌がどんどん付着して定着し、増殖を始めていくのです。結果、24~48時間後には酸を産生して歯を溶かしていきます。つまりこれが虫歯となっていくわけです。

 

 

更に不溶性グルカンは、唾液の自浄作用や酸素や抗菌剤などからのバリアとなって細菌を守ります。つまり、バイオフィルムのバリアで守られた部分は特に細菌が繁殖していく状態となってしまうのです。

 

 

このバイオフィルムを除去できるのが超音波歯ブラシです。もともとブラッシングなどによって機械的にバイオフィルムを破壊しなければならないのですが、普通のセルフブラッシングではバイオフィルムを完全に破壊することはかなり困難で、今までは歯科医院で歯垢染色剤を用いたPMTCを行なうのが有効だとされていました。それを家庭で行えることで、超音波歯ブラシの注目度がアップしていったのです。